受発注のたびにメールを確認し、スプレッドシートに転記して、担当者に転送する——この一連の作業、毎日繰り返していませんか?Make(旧Integromat)を使えば、プログラミング不要でこれらの処理を完全に自動化できます。本記事では受発注メール自動処理を構築する5つのステップを、具体的な設定方法とともに解説します。
Makeとは何か
ノーコードで業務を自動化するツール
Makeは「シナリオ」と呼ばれる自動化フローをドラッグ&ドロップで作成できるノーコード業務自動化ツールです。Gmail・Googleスプレッドシート・Slack・kintone・ChatworkなどのSaaSを1,500以上連携でき、中小企業の業務フローに合わせた柔軟なシナリオ構築が可能です。無料プランで月1,000オペレーション(処理回数)まで利用でき、有料プランは月$9〜。
Zapierとの違い
同カテゴリーのZapierに比べ、Makeは複雑な条件分岐・ループ処理・エラーハンドリングに優れています。受発注処理のように「注文金額が○○円以上なら承認フローへ、それ以外は自動処理」といった条件付き自動化が必要な場合、Makeの方が柔軟に対応できます。
ステップ1:メールトリガーの設定
まずMakeのシナリオにGmailモジュール「Watch Emails」を追加します。受発注メールを他のメールと区別するため、差出人ドメイン・件名のキーワード(「注文」「発注」「ご注文」など)・受信ラベルで絞り込み条件を設定します。テスト用の実際のメールで動作確認を行い、必要なメールだけが拾えていることを確認してください。
ステップ2:メール本文の解析と情報抽出
受信したメール本文から「注文日・顧客名・商品名・数量・金額」などの情報を抽出します。Makeの「Text Parser」モジュールや正規表現を使ってテキストから必要項目を切り出します。フォーマットが統一されていない場合は、Claude APIモジュールを組み合わせてAIに解析させる方法も有効です。
ステップ3:スプレッドシートへの自動転記
抽出した情報をGoogleスプレッドシートの受注管理台帳に自動追記します。「Google Sheets – Add a Row」モジュールで転記先シートとカラムのマッピングを設定するだけで完了です。これにより手動転記ミスをゼロにでき、台帳の更新漏れも防げます。日付・通し番号・受注ステータスも自動で付与するよう設定しておくと後の管理が楽になります。
ステップ4:担当者へのSlack通知
新規受注が入ったら即座にSlackの担当チャンネルに通知を送ります。「Slack – Create a Message」モジュールで、顧客名・注文内容・対応期限などを含むメッセージを自動投稿します。メールを見逃すリスクがなくなり、対応スピードが向上します。緊急度の高い注文には別チャンネルへの通知や担当者へのDMを送る条件分岐も追加できます。
ステップ5:確認メールの自動返信
受注を受け付けたことを顧客に自動で通知する確認メールを設定します。「Gmail – Send an Email」モジュールでテンプレートを設定し、抽出した顧客名・注文内容・予定出荷日などを差し込んで送信します。顧客への初動対応が自動化されるため、担当者は本来の業務に集中できます。
運用時の注意点
自動化シナリオは一度作れば終わりではありません。メールフォーマットの変更・仕入先の変更・イレギュラーな注文への対応など、定期的なメンテナンスが必要です。エラー通知設定を有効にしてシナリオが止まった際にすぐ気づける仕組みを整えておくことを強くおすすめします。自動化の詳細設計や構築支援はAI・DX支援サービスにご相談ください。
まとめ
Makeを活用した受発注メール自動処理は、中小企業が最もすぐに効果を実感できる自動化施策のひとつです。5ステップの設定で、メール確認・転記・通知・返信の一連作業を自動化でき、月数十時間の工数削減も十分可能です。まずは無料プランで試してみることをおすすめします。
Make導入時のよくある失敗と対策
Makeを業務自動化に活用する際、初期設定のミスやエラー処理の漏れで自動化が止まるケースがあります。事前に注意点を把握しておきましょう。
エラーハンドリングを必ず設定する
受発注メールの自動処理では、添付ファイルの形式違いや件名のフォーマット変更などで処理が止まることがあります。Makeのエラーハンドラー機能を使い、エラー発生時にSlackやメールで通知される仕組みを作っておくと安心です。担当者がすぐに異常に気づける体制を整えましょう。
テスト環境で十分な動作確認を
本番運用前に、実際に届くメールと同じ形式のテストメールを使って動作確認を行いましょう。特に日本語メールは文字コードの問題が起きやすく、文字化けによって処理が失敗するケースがあります。


