Makeで実現する業務自動化完全ガイド〜中小企業が使えるシナリオ12選と導入ステップ

DX推進

Make(旧Integromat)は、ノーコードで複数のアプリ・サービスをつなぎ合わせ、繰り返し発生する業務を自動化できるワークフロー自動化ツールです。Google スプレッドシートへのデータ転記、Slackへの自動通知、問い合わせフォームからCRMへの登録など、毎日手動で行っている作業を「シナリオ」として組み立てるだけで自動化できます。本記事ではMakeで実現できる業務自動化シナリオ12選を中心に、料金・他ツール比較・導入5ステップ・活用事例・失敗パターンまで網羅的に解説します。

当協会がDX支援の現場で感じるのは「ツールは導入したが、ツール同士が連携していないため担当者が手動でデータを転記している」という課題が中小企業に非常に多いことです。Makeはまさにそのギャップを埋める役割を果たし、実際にAI・DXの専門的な支援の場面でも頻繁に活用しています。

  1. Makeとは〜ノーコード自動化ツールの全貌
    1. Makeの概要と特徴
    2. ZapierやPower Automateとの位置づけ
  2. Make料金プラン〜中小企業向けの選び方
    1. プラン別料金と特徴
  3. Make・Zapier・Power Automate〜競合ツール比較
    1. 機能・価格・向いている用途の違い
  4. Makeで実現できる業務自動化シナリオ12選
    1. ①問い合わせフォーム→CRM自動登録
    2. ②受注データ→スプレッドシート自動集計
    3. ③Gmailの添付ファイル→Googleドライブ自動保存
    4. ④新規顧客登録→ウェルカムメール自動送信
    5. ⑤Slack特定チャンネル→議事録自動生成
    6. ⑥SNS投稿スケジュール自動化
    7. ⑦在庫アラート→発注メール自動送信
    8. ⑧支払い完了→請求書PDF自動生成
    9. ⑨採用応募→選考ステータス管理自動化
    10. ⑩カレンダー連携→会議リマインダー自動送信
    11. ⑪アンケート回答→集計・レポート自動化
    12. ⑫Notionタスク完了→Slack/メール報告
  5. Makeの導入5ステップ
    1. Step 1:アカウント作成とFreeプランで試す
    2. Step 2:最も「手間のかかる繰り返し作業」を1つ選ぶ
    3. Step 3:シナリオを作成する(トリガー→アクション)
    4. Step 4:本番稼働と監視
    5. Step 5:シナリオを横展開する
  6. 中小企業の活用事例
    1. 事例1:飲食業(従業員20名)〜予約・問い合わせ管理を自動化
    2. 事例2:製造業(従業員45名)〜受注データの日次集計を自動化
    3. 事例3:士業事務所(従業員8名)〜新規顧客の受付・ウェルカムフロー自動化
  7. Makeのデメリット・注意点
    1. ①学習コストがある
    2. ②オペレーション数に注意が必要
    3. ③接続先サービスのAPI制限
    4. ④連携サービスの仕様変更リスク
    5. ⑤日本語サポートの制約
  8. よくある失敗パターンと対策
    1. 失敗1:いきなり複雑なシナリオを作って挫折
    2. 失敗2:エラー通知の設定を忘れてシナリオが止まったまま放置
    3. 失敗3:本番切替前のテストをしないで大量データを誤送信
    4. 失敗4:複数担当者が管理しておらず退職時にシナリオが「ブラックボックス化」
  9. まとめ
    1. まずは無料でご相談・診断ください

Makeとは〜ノーコード自動化ツールの全貌

Makeの概要と特徴

Makeはチェコ発のクラウドサービスで、2012年にIntegromatとして創設され、2022年にMakeへ改名しました。現在は200以上のアプリ・サービスと連携でき、視覚的なフロービルダーでシナリオを作成できます。プログラミング不要でありながら、条件分岐・ループ・エラーハンドリングなど高度な処理も実現可能です。

ZapierやPower Automateとの位置づけ

自動化ツールのなかでMakeが特に選ばれる理由は「複雑なデータ変換と分岐処理をビジュアルで設計できる」点にあります。シンプルな1対1の自動化ならZapierが手軽ですが、複数ルートの分岐やループを含む処理はMakeが圧倒的に得意です。Power Automateは主にMicrosoft 365環境に最適化されているのに対し、MakeはGoogle系・Slack・Notionなどマルチプラットフォームに強い点が中小企業には魅力的です。

Make料金プラン〜中小企業向けの選び方

プラン別料金と特徴

プラン 月額(年払) オペレーション数/月 主な特徴
Free 無料 1,000 シナリオ2本、15分間隔実行
Core 約1,200円($9) 10,000 シナリオ無制限、5分間隔実行
Pro 約2,700円($16) 10,000〜 高度なオペレーション、1分間隔実行
Teams 約5,400円($29) 10,000〜 チーム共同編集、ログ管理

※料金は2026年6月時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。中小企業の多くはCoreプランから始め、処理量に応じてProへ移行するケースが多いです。

Make・Zapier・Power Automate〜競合ツール比較

機能・価格・向いている用途の違い

ツール 月額(目安) 得意なこと 向いている企業
Make 無料〜$16〜 複雑な分岐・ループ・データ変換 Google・Slack系ツールを多用する企業
Zapier 無料〜$19.99〜 シンプルな1対1の自動化、設定が簡単 初めて自動化に取り組む企業
Power Automate 無料(M365含む)〜 Microsoft 365との深い連携、デスクトップ自動化 Microsoft 365を中心に使う企業

Makeで実現できる業務自動化シナリオ12選

①問い合わせフォーム→CRM自動登録

Webサイトの問い合わせフォーム(Googleフォーム・HubSpotフォーム等)に新規入力があった瞬間、MakeがHubSpotやSalesforceにコンタクト情報を自動登録し、担当者にSlackで通知を送ります。手入力ミス・登録漏れをゼロにできます。

②受注データ→スプレッドシート自動集計

EC・受注管理システムの売上データをGoogle スプレッドシートに毎日自動転記・集計します。月次レポート作成にかかる作業時間を大幅に削減できます。

③Gmailの添付ファイル→Googleドライブ自動保存

特定のラベルが付いたGmailの添付ファイルを、自動的に指定フォルダへ保存します。請求書・見積書の受領処理が自動化されます。

④新規顧客登録→ウェルカムメール自動送信

CRMやスプレッドシートに新規顧客が登録されたタイミングで、Gmailまたは一斉配信ツールからウェルカムメールを自動送信します。

⑤Slack特定チャンネル→議事録自動生成

会議後にSlackの特定チャンネルへ投稿したメモをMakeが取得し、Notionのデータベースへ自動転記します。

⑥SNS投稿スケジュール自動化

Googleスプレッドシートで管理したSNS投稿予定をMakeが読み込み、X(旧Twitter)・Facebookへ指定日時に自動投稿します。

⑦在庫アラート→発注メール自動送信

在庫管理スプレッドシートの数値がしきい値を下回ったとき、MakeがGmailで仕入先へ自動発注メールを送信します。

⑧支払い完了→請求書PDF自動生成

Stripe等の決済ツールで支払いが完了したら、Makeが請求書PDFを自動生成し、顧客メールアドレスへ送付します。

⑨採用応募→選考ステータス管理自動化

採用フォームへの応募をMakeが受け取り、スプレッドシートに記録しつつ、担当者Slackへ通知と応募者への受付確認メールを同時送信します。

⑩カレンダー連携→会議リマインダー自動送信

Googleカレンダーの予定を読み取り、会議1時間前に参加者全員のSlackへリマインダーを自動送信します。

⑪アンケート回答→集計・レポート自動化

Googleフォームのアンケート回答をMakeがリアルタイムで取得し、スプレッドシートへ集計して週次でSlackへ送信します。

⑫Notionタスク完了→Slack/メール報告

Notionのタスクボードでステータスが「完了」に変わったとき、MakeがSlackへ完了通知と週次進捗サマリーを自動作成します。

Makeの導入5ステップ

Step 1:アカウント作成とFreeプランで試す

まずmake.comでアカウントを作成し、Freeプランで小規模なシナリオから試します。既存ツールのAPIキー・OAuthを準備しておきましょう。

Step 2:最も「手間のかかる繰り返し作業」を1つ選ぶ

自動化対象を欲張らず、毎日・毎週行っている手作業で最もコストがかかるものを1つ選びます。問い合わせ管理やデータ転記がよい出発点です。

Step 3:シナリオを作成する(トリガー→アクション)

Makeのビジュアルエディターでトリガー(何をきっかけに動くか)とアクション(何をするか)をつなぎます。テストモードで動作確認を必ず行います。

Step 4:本番稼働と監視

本番切替後、最初の1〜2週間はMakeのログで実行結果を毎日確認します。エラーが発生した場合の通知先(Slack・メール)も設定しておきましょう。

Step 5:シナリオを横展開する

1本のシナリオが安定稼働したら、同様の自動化を他の業務へ横展開します。シナリオをコピーしてカスタマイズするだけで、導入コストを大幅に下げられます。

中小企業の活用事例

事例1:飲食業(従業員20名)〜予約・問い合わせ管理を自動化

ホームページの予約フォームとGoogleカレンダーをMakeで連携。予約入力と同時にカレンダーへ自動登録し、スタッフSlackへ通知が届く仕組みを構築しました。以前は担当者が1日2〜3回フォームを確認して手入力していたため、週4〜5時間の作業が削減されました。

事例2:製造業(従業員45名)〜受注データの日次集計を自動化

複数の受注チャネル(EC・FAX転記スプレッドシート)からのデータをMakeが毎朝集計し、Google スプレッドシートへ自動集約。経営者は朝一で売上状況を確認でき、意思決定スピードが向上しました。

事例3:士業事務所(従業員8名)〜新規顧客の受付・ウェルカムフロー自動化

ホームページの相談申込フォームからCRM登録・担当者割り当て・ウェルカムメール送信をMakeで一気通貫に自動化。受付対応の時間が従来の30分/件から3分/件に短縮されました。

Makeのデメリット・注意点

①学習コストがある

Zapierと比較してインターフェースが複雑で、初めて触れる方は慣れるまでに1〜2週間程度かかります。ループ・集計・エラーハンドリングなどの高度な機能は特に理解に時間が必要です。公式ドキュメントや動画を活用した学習が不可欠です。

②オペレーション数に注意が必要

MakeはAPIコールの回数ではなく「オペレーション数」で料金が決まります。1つのシナリオ実行でモジュールが10個動けば10オペレーション消費するため、大量データを処理する場合は想定以上にオペレーション数が増えることがあります。事前の見積もりが重要です。

③接続先サービスのAPI制限

Make側ではなく、連携先のAPIレート制限(1分間に○回まで等)によって処理が遅れることがあります。特にGmailやSlackなど利用頻度の高いサービスは、APIの制限値を事前に確認しましょう。

④連携サービスの仕様変更リスク

連携先のサービスがアップデートでAPI仕様を変更した場合、Makeのシナリオが突然動かなくなることがあります。重要なシナリオは定期的に動作確認し、エラー通知を必ず設定しておきましょう。

⑤日本語サポートの制約

Makeの公式サポートは英語が中心です。日本語の公式ドキュメントは限られるため、Qiitaや国内コミュニティの情報を活用するか、日本語でサポートできるパートナー企業への相談も検討してください。

よくある失敗パターンと対策

失敗1:いきなり複雑なシナリオを作って挫折

【対策】最初は「フォーム送信→Slackに通知」程度のシンプルな2ステップから始めます。1本成功体験を積んでから複雑化する「小さく始める」アプローチが成功率を高めます。

失敗2:エラー通知の設定を忘れてシナリオが止まったまま放置

【対策】シナリオ作成時に必ずエラーハンドラーを追加し、エラー発生時にSlackまたはメールへ通知が届く設定をします。毎週月曜日に実行ログを確認するルールも決めましょう。

失敗3:本番切替前のテストをしないで大量データを誤送信

【対策】Makeのテストモードを使い、少量のサンプルデータで十分検証してから本番切替します。特にメール送信系のシナリオは自分宛てに送信テストを行ってください。

失敗4:複数担当者が管理しておらず退職時にシナリオが「ブラックボックス化」

【対策】各シナリオに説明メモを記入し、担当者情報・目的・関連ドキュメントへのリンクを記録します。チームプランを活用して複数名で管理する体制を作りましょう。

まとめ

Makeは中小企業の「ツール間のデータ転記」「手作業の繰り返し」を根本から解決できる強力なワークフロー自動化ツールです。Freeプランで試せるため初期コストはゼロ。まずは最も手間のかかる繰り返し作業を1つ選び、シンプルなシナリオから始めることが成功の近道です。

Make導入について詳しく知りたい方、自社に合ったシナリオ設計を相談したい方は、ぜひ以下のボタンからお気軽にご相談ください。

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