Chatworkは、国内の中小企業で最も導入実績の多いビジネスチャットツールの一つです。取引先とのやり取りが多い建設業・製造業・士業などでは、社外の相手も既にChatworkを使っているケースが多く、導入のハードルが低いという特徴があります。本記事では、Chatworkとは何かという基本から、機能・特徴、料金プラン、顧客対応・社内連絡を効率化する具体的な使い方をStep形式で解説し、導入事例、デメリット・注意点、よくある失敗パターンと対策まで、Chatwork活用ガイドとして実務目線でまとめます。
Chatworkとは
Chatworkの基本機能
Chatworkは、株式会社kubellが提供する国産のビジネスチャットツールです。1対1やグループでのチャット、タスク管理、ファイル共有、ビデオ通話といった機能を1つのアプリで完結できる点が特徴で、2011年のサービス開始以来、国内の中小企業を中心に長年利用されてきた実績があります。メールに比べてやり取りのスピードが速く、話題ごとにチャットルームを分けて整理できるため、情報が個人のメールボックスに埋もれる問題を解消できます。
なぜ中小企業に選ばれているのか
Chatworkが中小企業に選ばれている最大の理由は、社外の取引先との連携のしやすさです。建設業・製造業・士業など、社外とのやり取りが多い業種ではChatworkの導入実績が特に多く、「取引先も既に使っている」ケースが多いため、新たに連絡手段を揃える必要がなく、導入のハードルが低いという特徴があります。また、画面がシンプルでITツールに不慣れな社員でも直感的に操作しやすい点も、現場での定着率の高さにつながっています。
Chatworkの機能・特徴
チャット機能とタスク管理の一体化
Chatworkの特徴の一つが、チャットのメッセージから直接「タスク」を作成できる機能です。メッセージ本文をそのままタスク化し、担当者と期限を設定できるため、「言った・言わない」のすれ違いや、依頼の対応漏れを防ぐことができます。タスクは一覧画面でまとめて確認できるため、自分が抱えている依頼事項を可視化しやすいのもメリットです。
ファイル共有とビデオ通話
チャットルームごとにファイルを共有でき、過去にやり取りしたファイルを検索して探し出すことも可能です。また、音声通話・ビデオ通話の機能も標準で備わっており、テキストでのやり取りだけでなく、込み入った相談は通話に切り替えるといった使い分けができます。
外部ツールとの連携
Chatworkは、勤怠管理システムや請求書発行システムなど、他の業務システムと連携できるAPIやサービス連携が用意されています。例えば、問い合わせフォームからの入力内容を自動でChatworkに通知する、といった連携により、確認漏れを防ぐ仕組みを構築できます。
Chatworkの使い方(顧客対応・社内連絡を効率化するステップ)
Step1:チャットルームの設計を整える
導入初期に最も重要なのが、チャットルームの設計です。「顧客ごと」「案件ごと」「部署ごと」など、自社の業務に合わせた分け方のルールを最初に決めておくことで、後から情報が探しにくくなる事態を防げます。当協会がDX支援の現場で伺う相談でも、「ルームが増えすぎて何がどこにあるか分からなくなった」という声が多く、初期設計が定着の第一歩になります。
Step2:顧客対応のテンプレートを用意する
よくある問い合わせへの回答文をあらかじめテンプレート化し、チャットワークのメッセージ内に保存しておくと、一次対応のスピードが大幅に上がります。特に、営業時間外や担当者不在時の一次回答文をテンプレート化しておくことで、対応の遅れによるクレームを減らすことができます。
Step3:タスク機能で対応漏れを防ぐ
顧客からの依頼事項は、メッセージを受け取った時点でその場でタスク化する運用を徹底します。担当者と期限を必ず設定し、タスク一覧で進捗を管理することで、「返信を忘れていた」という対応漏れを防止できます。
Step4:既読・未読管理で社内連絡の抜け漏れを防ぐ
Chatworkは誰が既読したかを確認できる機能があり、重要な連絡事項については既読状況を確認したうえで、未読のメンバーに個別にリマインドする運用にすると、社内連絡の伝達漏れを防げます。全社への一斉連絡は「全員宛て」のルームを作り、個別のやり取りは別ルームに分けることで、重要な情報が流れて見落とされることを防ぎます。
Step5:外部連携で通知を一元化する
問い合わせフォームや予約システムなど、他の業務システムとChatworkを連携させることで、複数のツールを行き来せずにChatwork上で通知を確認できるようになります。通知の確認場所を1つに絞ることで、担当者の確認漏れを構造的に減らすことができます。
Chatworkの料金プラン
料金プラン一覧
Chatworkにはフリー・ビジネス・エンタープライズの3つのプランが用意されています。以下は2026年8月時点で確認できた目安の料金水準です。料金は改定される場合があるため、契約前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
| プラン名 | 月額目安(1ユーザー) | 主な特徴 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | チャット件数・グループチャット数に制限あり。小規模チームのお試しに向く |
| ビジネス | 年払いで500〜700円程度 | チャット件数・ファイル容量の制限が大幅に緩和、ビデオ通話の同時接続人数も拡大 |
| エンタープライズ | 年払いで1,000円台 | IPアドレス指定接続、より高度なセキュリティ・管理機能に対応 |
自社に合ったプランの選び方
社内数名でまず試したい場合はフリープランから始め、チャット件数の制限に達したタイミングでビジネスプランへの切り替えを検討するのが現実的な進め方です。取引先とのやり取りに機密性の高い情報が含まれる場合は、エンタープライズプランのセキュリティ機能を検討する価値があります。
他ツールとの比較
Slack・Microsoft Teamsとの違い(簡易比較)
ビジネスチャットにはSlackやMicrosoft Teamsといった選択肢もあります。SlackはIT系ツールとの連携の豊富さ、Microsoft TeamsはMicrosoft 365との親和性がそれぞれの強みですが、Chatworkは社外の取引先を含めた「国内企業同士のやり取りのしやすさ」に強みがあります。3ツールの詳しい機能・料金比較は、当協会の別記事「Slack・Microsoft Teams・Chatwork徹底比較」で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
導入事例
事例1:建設業のお客様(従業員20名規模)— 現場と事務所の連絡を一本化
現場担当者と事務所間の連絡が電話中心で、現場から離れられないタイミングでの連絡が取りづらいという課題がありました。Chatworkを導入し、案件ごとにチャットルームを分けて写真や図面もその場で共有できる運用に切り替えたところ、電話の取り次ぎ待ちによる時間ロスが減り、現場からの報告もスムーズになりました。
事例2:卸売業のお客様(従業員12名規模)— 取引先とのやり取りをメールから移行
取引先とのやり取りをメールで行っており、過去のやり取りを探すのに時間がかかっていました。取引先の協力を得てChatworkでの連絡に切り替えたところ、案件ごとにやり取りが1つのルームにまとまり、過去の履歴の検索性が大幅に向上しました。
事例3:士業事務所のお客様(従業員6名規模)— 顧客からの問い合わせ対応を迅速化
顧客からの問い合わせの多くが営業時間外に届き、翌営業日の対応になることで顧客満足度に影響が出ていました。テンプレート化した一次回答文をタスク機能と組み合わせて運用することで、担当者が出社した直後に優先度の高い問い合わせから対応できる体制を整え、対応スピードが改善しました。
デメリット・注意点
情報が流れやすく重要な連絡が埋もれることがある
チャットルームが増えすぎると、重要な連絡が他のやり取りに埋もれて見落とされるリスクがあります。ルーム設計のルールを最初に決めておくこと、重要な連絡は既読確認を徹底することが対策になります。
無料プランでは機能・容量に制限がある
フリープランはチャット件数やファイル容量に制限があるため、利用が本格化すると早い段階で上限に達することがあります。事前にどの程度の利用量になるか見積もったうえでプランを選定する必要があります。
セキュリティ設定を怠ると情報漏洩のリスクがある
退職者のアカウントを放置したままにする、二段階認証を設定しないといった運用は、情報漏洩のリスクを高めます。アカウント管理のルールをあらかじめ定め、定期的に棚卸しを行う必要があります。
社外連絡と社内連絡が混在しやすい
顧客対応と社内連絡を同じ画面で扱うため、誤って社外向けのルームに社内情報を送ってしまう「誤送信」のリスクがあります。ルーム名の命名規則を統一し、送信前の宛先確認を習慣づけることが重要です。
よくある失敗パターンと対策
失敗パターン1:ルーム設計をせずに使い始めてしまう
ルールを決めないまま使い始めると、後から「どのルームに何があるか分からない」状態になりやすく、結局メールに逆戻りしてしまうケースがあります。対策として、導入初日にルームの命名規則・分け方のルールを決めてから運用を開始することが重要です。
失敗パターン2:一部の社員しか使わず定着しない
経営層や一部の担当者だけが使い、他の社員が従来の連絡手段を使い続けると、情報が分散してしまいます。対策として、社内連絡は原則Chatwork経由とするルールを明文化し、全社に周知することが有効です。
失敗パターン3:通知設定を放置して確認漏れが発生する
通知設定が適切でないと、重要なメッセージに気づかず対応が遅れることがあります。対策として、導入時に全社員の通知設定を確認し、重要なルームの通知はオンにしておくよう周知することが重要です。
まとめ
Chatworkは、社外の取引先とのやり取りが多い中小企業にとって、導入のハードルが低く、顧客対応・社内連絡の効率化に直結するツールです。ただし、ルーム設計や運用ルールを整えないまま導入すると、情報が埋もれるといった課題が発生しやすいため、本記事で紹介したStep形式の使い方を参考に、段階的に運用を整えることをおすすめします。当協会は中小企業のビジネスチャット導入・運用設計を支援しています。導入や運用でお悩みの際は、当協会のAI・DX支援サイトからお気軽にご相談ください。


