(2026年10月時点)Googleは2026年10月21日付の公式ブログで、Geminiアプリに「Customize(カスタマイズ)」ハブを加えたと発表しました。Geminiの応答のしかたと、他のツールとの連携を一か所で調整できる場所です。本記事では「Gemini Customizeハブとは何か」を、中小企業の経営者や、総務・情シスを兼任する担当者の方に向けて整理します。
Gemini Customizeハブとは:要点3行
- Geminiアプリに「Customize」ハブが登場。カスタムスキルと連携アプリ(connected apps)をまとめて見つけて管理できます。
- スキルは、繰り返しの作業向けにカスタムの振る舞いやプロンプトの好みを設定する機能です。連携アプリは、Googleアプリに加え40以上の外部サービスとGeminiをつなぐ機能です。
- web・モバイル・Windows/macOSのデスクトップアプリで順次展開中です。ただし連携アプリの多くは現在「米国の英語」での提供です。
一次情報は、Google Workspace Updatesブログの記事(An easier way to customize how Gemini works for you)です。以下はこの公式発表の内容だけに基づいて書いています。
Gemini スキルとは:社内ルールを「型」にする
公式ブログによると、スキルでは一貫したトーンや声、応答の構造の指定などを設定できます。たとえば「お客様への返信は丁寧語で、結論から先に書く」「議事録は決定事項・担当・期限の順に並べる」といった社内の書き方のルールを、毎回プロンプトに書き足さなくても使い回せる形にする、という使い方が考えられます(これは当協会による想定例で、公式に示された事例ではありません)。
中小企業では、文章の書き方が担当者ごとに違う、引き継ぎで品質が落ちる、といった悩みがよくあります。スキルを「社内ルールの型」として育てれば、属人化の軽減につながる可能性があります。ただし、効果は運用の仕方や業務内容によって変わります。
Gemini 連携アプリ 中小企業 活用:便利さと権限管理の両面から
連携アプリは、接続するアプリを自分で選べること、権限の確認や接続解除をいつでも行えることが公式に説明されています。便利な反面、つなぐ先が増えるほど「どの情報がどこに渡るか」の管理が重要になります。中小企業では情報漏えいや権限の野放しがそのまま経営リスクになりやすいため、次の観点が欠かせません。
- コスト:公式ページには料金やプラン別の差の記載がありません。追加費用の有無は未確認のため、導入前に自社の契約内容で確認してください。
- 業務:定型の文書作成や情報整理に使う場合、スキルと連携アプリの組み合わせで手間が減る可能性があります。
- 人材:誰がどのアプリを接続してよいか、新人にも分かる形のルールが必要になります。
- 競合:他社との優劣を競うものではなく、まずは自社の業務に合うかを小さく確かめる姿勢が現実的です。
日本で使えるかは要確認:地域・言語の制限
公式発表では、連携アプリの多くは現在「米国の英語」で提供され、一部のアプリは他の英語圏、ブラジル、インドでも提供されるとされています。どのアプリがどの地域で使えるかは記事に記載がなく、日本で使える連携アプリの範囲は公式に明記がなく未確認です。スキルの上限数についても記載がありません。海外発の発表は、日本語環境や日本の制度でそのまま使えるとは限らないため、実際の画面で確認してから判断してください。
展開は、Rapid/Scheduled Releaseドメインで2026年10月13日に段階展開が始まっており、反映まで最大15日かかるとされています。対象は全てのGoogle Workspace顧客、Workspace Individual購読者、個人Googleアカウントのユーザーです。
今すぐできる一歩:無料・低コストの小さな実証
- 管理者は、管理コンソールの「アプリ > Google の追加サービス > Gemini」で、連携アプリとサードパーティ連携の設定を確認する。
- 利用者は、Geminiのweb・モバイル・デスクトップアプリで左ナビのCustomizeを開き、「文体を揃えるスキル」を1つだけ試す。
- 連携アプリは必要最小限にとどめ、まず1つか2つで様子を見る。
- 権限の棚卸しルールを決める。たとえば「月に一度、接続中のアプリと権限を見直し、不要なら接続を解除する」といった形です。
公式ページには、GeminiアプリのWorkspaceサービスへのアクセス制御や、Marketplaceアプリの許可リスト管理のヘルプページへのリンクもあります。詳しい説明は示されていないため、管理者の方はリンク先のヘルプも合わせてご確認ください。
当協会の視点:ルール整備から無理なく始める
当協会は、Google Workspaceの導入やGemini活用の定着支援、そして社内ルール整備の伴走を行っています。新機能は「使えること」よりも「安全に続けられること」が大切だと考えています。スキルの型づくりや、連携アプリの許可方針づくりなどでお困りの際は、お気軽にご相談ください。なお、すべての企業に導入をお勧めするものではなく、自社に合うかを一緒に確かめるところから始められます。
前回の関連記事として、Google Workspaceのチャット・会議要約・サイトのエクスポートに関する速報もあわせてご覧ください。ほかの記事はdx-ai.seed.or.jpで公開しています。
まとめ
GeminiのCustomizeハブは、スキルと連携アプリを一か所で管理できる入口です(2026年10月時点)。スキルは社内ルールの型づくりに、連携アプリは権限管理とセットで検討する価値があります。一方で、日本で使える連携アプリの範囲は未確認です。まずは管理コンソールの確認と、文体スキル1つの試用から、小さく始めてみてはいかがでしょうか。


