SlackのWorkflow Builderは、ノーコードで承認フロー・通知・定型メッセージの自動送信などを設定できる自動化機能です。プログラミング知識がなくてもSlack内の繰り返し業務を自動化でき、外部ツール(Zapier・Make等)との連携も可能です。本記事ではSlack Workflow Builderで承認・通知フローを自動化する実践的な設定方法と活用事例を解説します。
当協会もSlackを日常業務のコミュニケーション基盤として活用しており、Slack導入支援の現場でWorkflow Builderの設定をサポートしてきた経験から、実際に効果の高い活用法をご紹介します。
Slack Workflow Builderとは〜概要と機能
Workflow Builderの基本概要
Workflow BuilderはSlack内に用意されているノーコードの自動化ツールです。「トリガー(何をきっかけに動くか)」と「ステップ(何をするか)」を組み合わせてワークフローを設計します。特定のメッセージ投稿・フォーム送信・スケジュール・外部イベントを起点に、メッセージ送信・チャンネル投稿・フォーム展開・外部API呼び出しなどのアクションを自動実行できます。
Slack料金プランとWorkflow Builder
| プラン | 月額/ユーザー | Workflow Builder |
|---|---|---|
| Free | 無料 | 利用不可 |
| Pro | ¥925 | 基本機能(トリガー・ステップ制限あり) |
| Business+ | ¥1,600 | 高度な機能・ステップ数無制限 |
| Enterprise Grid | 要問合せ | フル機能 |
※料金は2026年6月時点の参考値。最新情報はSlack公式サイトをご確認ください。
SlackとMicrosoft Teamsの自動化機能比較
| 比較項目 | Slack(Workflow Builder) | Microsoft Teams(Power Automate) |
|---|---|---|
| ノーコード度 | ◎ Slack内で完結 | ○ Power Automateとの連携要 |
| 外部ツール連携 | ◎ Zapier・Makeと連携可 | ◎ Power Automateで幅広く |
| Microsoft連携 | △ | ◎ Office 365ネイティブ |
| フォーム機能 | ○ ワークフロー内フォーム | ○ Microsoft Formsとの連携 |
| 向いている企業 | Slack中心の企業 | Microsoft 365中心の企業 |
Workflow Builderで作れるワークフロー例
①有休申請の承認フロー
特定チャンネルに「/有休申請」と入力するとフォームが展開し、申請者が日付・理由を入力すると承認者にDMで通知。承認ボタンを押すと申請者に承認通知とGoogleカレンダーへの登録案内が自動送信されます。
②毎朝の定例スタンドアップ自動化
毎朝9時に指定チャンネルへ「今日のタスク・昨日の完了・ブロッカー」を入力するフォームを自動送信。各メンバーが入力した内容を集約して管理者チャンネルへサマリーを自動投稿します。
③新入社員オンボーディング自動化
新メンバーがワークスペースに参加した瞬間に、自動的にウェルカムメッセージ・社内Wiki・必読資料へのリンクを含むDMを送信します。オンボーディング担当者の連絡忘れをゼロにできます。
④問い合わせ受付→担当者割り当てフロー
問い合わせチャンネルへの投稿をトリガーに、フォームで担当者・優先度・期限を入力し、担当者へDM通知・チャンネルでの受付確認メッセージを自動送信します。
⑤定期レポート自動収集
毎週金曜日16時に各メンバーへ週次報告フォームを自動送信。回答が集まると自動集約して経営者チャンネルへサマリーを送信します。
Workflow Builderの設定手順(ステップ形式)
Step 1:Workflow Builderを開く
Slackの左サイドバーにある「⚡」アイコンまたはメニューから「Automations」→「Workflow Builder」を開きます。「ワークフローを作成」ボタンをクリックします。
Step 2:トリガーを設定する
ワークフローの起点を選択します。主なトリガー種類は「スケジュール(指定時刻)」「リンクがクリックされたとき」「特定のチャンネルへのメッセージ投稿時」「ショートカット実行時」「Webhook(外部ツールから)」です。
Step 3:ステップ(アクション)を追加する
トリガー後に実行するアクションを追加します。「メッセージを送信」「フォームを展開」「変数を設定」「承認を要求」「外部APIを呼び出す」などのステップを順番に設定します。
Step 4:変数を活用して動的なメッセージを設定
フォームで収集した入力値(申請者名・日付・内容等)を変数として後続ステップで使用できます。「{申請者}さんから{日付}の有休申請が届きました」のような動的メッセージを設定します。
Step 5:テストして公開
「テスト」機能でワークフローの動作を確認してから「公開」します。公開後はチャンネルメンバーが利用できるようになります。
Slack Workflow Builder活用事例
事例1:IT企業(従業員18名)〜有休申請がSlackで完結
以前はメールで有休申請し承認を待つプロセスに平均1〜2日かかっていましたが、Workflow Builderで承認フローを構築。申請から承認完了まで平均30分以内に短縮。承認忘れ・申請漏れもゼロになりました。
事例2:EC事業(従業員10名)〜スタンドアップMTGを非同期化
毎朝15分の同期スタンドアップミーティングをWorkflow Builderの非同期フォームに置き換え。各自が自分のペースでタスクを入力し、サマリーが自動集約されることで週5時間分の会議時間を削減しました。
事例3:コンサルティング会社(従業員25名)〜新入社員オンボーディングの標準化
以前は担当者が手動で案内メールを送っていたオンボーディングをWorkflow Builderで自動化。入社当日から1週間分の案内・資料共有・チェックイン確認が自動送信され、担当者の準備工数が80%削減されました。
Workflow Builderのデメリット・注意点
①Free・Proプランでは使える機能が限定的
Workflow BuilderのフルスペックはBusiness+以上が必要です。Freeプランでは利用できません。高度な自動化が目的なら、Slackのプランアップグレードコストを費用対効果で評価してください。
②複雑なロジック(条件分岐・ループ)は外部ツールとの連携が必要
Workflow Builder単体では複雑な条件分岐やデータ変換には限界があります。複雑なワークフローはZapierやMakeと組み合わせることで対応できます。
③Slack依存のワークフローは他ツールへの移行が難しい
Workflow Builderで構築した業務フローはSlackに依存するため、将来的に別のコミュニケーションツールへ移行する際に再構築が必要になります。
④承認者が長時間不在だとフローが止まる
承認ステップがある場合、承認者が休暇等で対応できないと全体のフローが止まります。代理承認者の設定やエスカレーション設定を必ず行ってください。
よくある失敗パターンと対策
失敗1:ワークフローが複雑すぎて誰も使わなくなる
【対策】最初は入力フィールド3〜5個・ステップ2〜3個のシンプルなワークフローから始めます。「ユーザーが迷わず入力できるか」を常に意識してください。
失敗2:承認フローを設定したが承認者がSlackを見ていない
【対策】承認リクエストはDMで通知されますが、見落としを防ぐためにモバイル通知の設定・エスカレーションの時間設定も組み込みましょう。
失敗3:ワークフローの管理者が不在になり誰も修正できない
【対策】ワークフローの管理者(オーナー)を必ず2名以上設定します。ワークフローの目的・設計概要をドキュメント化して共有フォルダに保管してください。
まとめ
Slack Workflow Builderは、Slackを使っている中小企業がノーコードで承認・通知・非同期コミュニケーションを自動化できる便利な機能です。まずは「有休申請の承認フロー」や「毎朝のスタンドアップ自動化」など、すぐに試せるシンプルなワークフローから始めてみましょう。Slack活用全般やWorkflow Builder設定のご相談はぜひ以下からお気軽にどうぞ。


