Zapierは世界中で7,000以上のアプリを連携して業務を自動化できるノーコードツールです。Webフォームへの問い合わせからCRM登録・担当者通知・フォローメール送信までを自動化することで、営業フォロー業務の取りこぼしをゼロにできます。本記事ではZapierで営業フォロー業務を自動化する具体的な方法を、問い合わせ受付からCRM登録・通知・フォローアップメールまで一気通貫で解説します。
当協会でもZapierを活用した問い合わせ自動化を実践しており、営業業務の自動化支援を数多くの中小企業に提供してきた経験から、実践的なポイントをご紹介します。
Zapierとは〜概要と特徴
Zapierの基本概要
Zapierは「Zap」と呼ばれる自動化ルールを作成することで、異なるアプリ同士をつなぎ業務を自動化するツールです。プログラミング不要で、トリガー(きっかけ)とアクション(実行内容)を設定するだけで動作します。HubSpot・Gmail・Slack・Googleスプレッドシート・Notionなど幅広いアプリと連携できます。
Zapier料金プラン
| プラン | 月額(年払) | タスク数/月 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Free | 無料 | 100 | Zap5本・2ステップのみ |
| Starter | $19.99 | 750 | 3ステップZap・フィルター機能 |
| Professional | $49 | 2,000 | 無制限ステップ・条件分岐 |
| Team | $69 | 2,000〜 | チーム共有・フォルダ管理 |
※料金は2026年6月時点。最新情報はZapier公式サイトをご確認ください。
ZapierとMakeの比較〜営業自動化で選ぶべきはどちら
| 比較項目 | Zapier | Make |
|---|---|---|
| 設定の簡単さ | ◎ 直感的なUI | ○ 学習コストあり |
| アプリ連携数 | ◎ 7,000以上 | ○ 1,600以上 |
| 複雑なロジック | △ | ◎ 条件分岐・ループ得意 |
| コスト | △ やや高め | ◎ 低コスト |
| 向いている用途 | シンプルな自動化・多数アプリ連携 | 複雑なデータ変換・ループ処理 |
シンプルな問い合わせ→CRM登録→通知の連携であればZapierが最速で構築できます。複雑な条件分岐や大量データ処理が必要な場合はMakeが有利です。
Zapierで実現する営業フォロー自動化フロー
①基本フロー:問い合わせ→CRM登録→Slack通知
Webサイトの問い合わせフォーム(Googleフォーム・HubSpot Forms等)に新規送信があると、ZapierがHubSpotに新規コンタクトとして自動登録し、営業担当者のSlackへ即座に通知を送ります。このZapは5〜10分で設定でき、最もコストパフォーマンスの高い営業自動化の第一歩です。
②ウェルカムメールの自動送信
CRM(HubSpot)に新規コンタクトが登録されたとき、Zapierが自動的にウェルカムメールをGmailから送信します。メールには「お問い合わせ内容の確認」「次のステップ(無料相談日程の案内)」を含めることで、見込み客のエンゲージメントを高めます。
③フォローアップリマインダーの自動設定
問い合わせ受付から3日後に「フォローアップ確認」のリマインダーをCRMのタスクとして自動作成します。担当者が連絡済みか確認し、未対応なら再フォローできる仕組みです。
④商談ステータス変更→次ステップ自動通知
CRMで商談ステータスが「提案済み」に変わったとき、Zapierが自動的に「見積送付から5日後にフォロー」「2週間後に結果確認」のタスクをCRMに追加します。
設定手順(Zapierで問い合わせ自動化)
Step 1:Zapierアカウントを作成してFreeプランで開始
zapier.comでアカウントを作成します。最初のZapはFreeプランで試せます。
Step 2:トリガーアプリを選択する
「Create Zap」→「Trigger」で問い合わせ元のアプリを選びます。Googleフォームなら「Google Forms」「New Form Response」を選択。HubSpot Formsなら「HubSpot」「New Form Submission」を選択します。
Step 3:アクションを追加する(CRM登録)
「Action」でHubSpotを選択し、「Create Contact」を設定します。フォームの回答フィールドをHubSpotのコンタクトフィールドにマッピング(名前・メールアドレス・会社名・問い合わせ内容等)します。
Step 4:追加アクションでSlack通知を設定
同じZapに「Add step」でSlackを追加し、「Send Channel Message」で営業チャンネルへの通知メッセージを設定します。「新規問い合わせ:{名前}様 / {会社名} / {問い合わせ内容}」のようなメッセージテンプレートを設定します。
Step 5:テストして有効化
各ステップで「Test」を実行し、実際にCRM登録とSlack通知が届くことを確認してから「Publish」で有効化します。
Zapier活用事例
事例1:BtoB SaaS企業(従業員15名)〜問い合わせ対応時間を70%削減
ウェブサイトの問い合わせフォーム→HubSpot登録→担当者Slack通知→ウェルカムメール自動送信のZapを構築。以前は担当者が1日3回フォームをチェックして手動で対応していた業務が完全自動化され、リード取りこぼし・対応遅延がゼロになりました。
事例2:人材紹介業(従業員8名)〜採用応募からATS登録を自動化
求人サイト(Indeedの問い合わせフォーム)への応募をZapierが受け取り、自社のATS(採用管理システム)へ自動登録、採用担当者へSlack通知、応募者への受付確認メールを一括自動化。採用担当者が手動で行っていた転記作業が1日90分から0分になりました。
事例3:コンサルティング会社(従業員20名)〜商談管理の見える化
HubSpotの商談ステージ変更をトリガーに、ZapierがGoogleスプレッドシートへ自動転記するZapを構築。営業管理スプレッドシートが常に最新状態に保たれ、週次営業会議の準備時間が30分から5分に短縮されました。
Zapierのデメリット・注意点
①タスク数の消費に注意(コストが増大しやすい)
Zapierの料金はタスク(アクション)の実行回数で課金されます。1つのZapに3つのアクションがあれば1回の実行で3タスク消費します。問い合わせ量が多い場合は予想以上のコストになるケースがあるため、月間タスク見積もりを事前に行いましょう。
②Free・Starterプランでは多段階の自動化に制限がある
複数ステップの自動化やフィルター機能はStarterプラン以上が必要です。条件分岐(パスとフィルター)はProfessionalプラン以上が必要になります。
③連携先サービスの仕様変更でZapが停止することがある
連携先のAPIが変更されるとZapが突然停止することがあります。重要なZapには必ずエラーメール通知を設定し、定期的な動作確認を行ってください。
④日本語のサポートが限定的
Zapierのサポート・ドキュメントは英語が中心です。設定でつまずいた場合はZapier Community(英語)やQiita等の日本語解説記事を参照してください。
よくある失敗パターンと対策
失敗1:テストをしないで本番稼働して誤通知・誤登録が発生
【対策】本番稼働前に必ず「テストフォームへの送信」→「CRM登録内容の確認」→「Slackメッセージの確認」をすべて実施します。テスト環境のCRMアカウントで確認してから本番環境へ切替えましょう。
失敗2:Zap数が増えてどれが動いているか管理できなくなる
【対策】Zap名に「[目的]_[トリガーアプリ]→[アクション]_[作成日]」のような命名規則を設けます。フォルダで用途別に整理し、不要なZapは無効化または削除して整理しましょう。
失敗3:担当者が退職してZapの管理者不在になる
【対策】Zapierのオーナーアカウントを会社の共用メールアドレスに設定し、管理者を2名以上にします。各Zapの目的・設定内容をNotionやスプレッドシートで文書化しておきましょう。
まとめ
Zapierは中小企業の「問い合わせ→CRM登録→通知→フォローアップ」という営業フォロー業務を数時間で自動化できる強力なツールです。まず最もシンプルな「問い合わせフォーム→Slack通知」のZap1本から始め、効果を確認しながら段階的に自動化を拡張していくことが成功の近道です。Zapierを使った業務自動化の設計・構築のご相談は、ぜひ以下からお気軽にどうぞ。


