ZapierとMakeを徹底比較|中小企業の業務自動化ツール選び

Make

「複数のツールをまたいだ手作業を自動化したい」――そんな中小企業の定番の選択肢が ZapierMake です。どちらもプログラミング不要で、アプリ同士を連携させて業務を自動化できるツールですが、料金体系や操作性、得意分野が異なります。本記事では、2026年時点の情報をもとに、中小企業がどちらを選ぶべきかを徹底比較します。

Zapier と Make とは?

Zapier と Make は、いずれも「iPaaS」と呼ばれる業務自動化ツールです。たとえば「問い合わせフォームに入力があったら、内容をスプレッドシートに記録し、担当者にチャット通知する」といった一連の作業を、ノーコードで自動化できます。人が手作業で行っていた転記・通知・データ連携を自動化することで、ミスの削減と工数の圧縮を実現します。

なぜ中小企業に有効なのか

人手が限られる中小企業では、定型的な繰り返し作業が担当者の時間を奪います。これらを自動化すれば、少人数でも本来注力すべき業務にリソースを回せます。

それぞれの特徴

Zapier の特徴

連携できるアプリ数が非常に多く、設定画面がシンプルで直感的です。「トリガー(きっかけ)→アクション(処理)」を順番に選ぶだけで、初心者でも自動化を組めます。まず自動化を試したい企業に向きます。

Make の特徴

処理の流れを線でつなぐビジュアルな画面が特徴で、複雑な分岐や繰り返し処理を柔軟に組めます。同じ処理量ならZapierより低コストになりやすく、作り込み志向の企業に向きます。

料金プラン

主要プランの目安です(月額、変動あり。最新は各公式サイトをご確認ください)。

ツール 無料プラン 有料プラン目安 課金の考え方
Zapier あり(月100タスク程度) 約20ドル/月〜 実行タスク数で課金
Make あり(比較的多め) 約9ドル/月〜 処理ステップ(オペレーション)数で課金

一般に、シンプルな自動化を少数運用するなら Zapier、多数の処理をコスト重視で回すなら Make が有利な傾向です。

Zapier と Make 比較表

項目 Zapier Make
操作の分かりやすさ 非常に簡単 やや学習が必要
連携アプリ数 非常に多い 多い
複雑な分岐・繰り返し やや不得意 得意
コスト効率 高い
向くユーザー 自動化初心者 作り込み・コスト重視

使い方(ステップ形式)

Step 1:自動化したい作業を書き出す

「何を、いつ、どうしたいか」を明確にします。例:フォーム入力→スプレッドシート記録→通知。

Step 2:トリガーを設定

自動化の起点(フォーム送信、メール受信など)を選びます。

Step 3:アクションを設定

起点の後に行う処理(記録・通知・データ作成など)を順に設定します。

Step 4:テスト実行

実際に動かして意図通りか確認し、問題があれば修正します。

Step 5:本番運用と見直し

運用しながらタスク消費量を確認し、無駄な処理を削減します。

活用事例

事例1:不動産業のお客様(従業員10名規模)

問い合わせフォームの内容を自動でスプレッドシートに記録し、担当へチャット通知。反応速度が上がり、機会損失が減りました。

事例2:EC事業のお客様(従業員6名規模)

受注データを複数ツール間で自動連携。手作業の転記がなくなり、入力ミスが解消されました。

事例3:コンサル業のお客様(従業員12名規模)

Make で複雑な条件分岐を含む請求処理を自動化し、月次の事務作業を大幅に削減しました。

デメリット・注意点

タスク・処理数による費用増

自動化の実行回数が増えると費用も増えます。処理設計を効率化しないとコストが膨らみます。

連携先の仕様変更リスク

連携先アプリの仕様変更で自動化が停止することがあります。定期的な動作確認が必要です。

エラー時の対応

自動化が止まった際に気づかないと業務が滞ります。エラー通知の設定が欠かせません。

作り込みすぎの複雑化

特にMakeは高度な設定ができる反面、複雑にしすぎると保守が困難になります。

属人化のリスク

設定した担当者しか中身を理解していないと、退職時に運用が止まります。設計の記録が重要です。

よくある失敗パターンと対策

失敗1:無計画に自動化を増やしタスク上限に到達。対策は重要業務から優先し、消費量を定期確認することです。

失敗2:エラー通知を設定せず、停止に気づかない。必ずエラー時の通知を設定します。

失敗3:設定が属人化してブラックボックス化。自動化の内容をドキュメント化し、複数人で共有します。

当協会のDX支援現場から(一次情報)

当協会が自動化ツールをご支援する際、まずお伝えするのは「自動化する前に、その作業自体をなくせないか考える」ということです。実際、ご相談の中には「そもそも不要な転記作業を自動化しようとしていた」ケースが少なくありませんでした。業務の棚卸しをした上で、本当に必要な繰り返し作業だけを Zapier や Make で自動化すると、効果が明確に出ます。ツール選びについては、初めての自動化なら操作が分かりやすい Zapier、処理量が多くコストを抑えたいなら Make、というのが現場での基本的なご案内です。どちらも無料プランがあるので、まず1つの業務で試してから判断することをおすすめしています。

業務自動化の進め方は、当協会のDX情報サイトでも詳しく解説しています。

自動化に向いている業務・向かない業務

自動化に向いている業務

「毎回同じ手順で繰り返す」「複数のツール間でデータを移す」「特定の条件で通知する」といった定型的な作業は、Zapier や Make の得意分野です。問い合わせ対応の記録、受注データの連携、日次レポートの送信などが典型例です。

自動化に向かない業務

逆に、毎回判断が必要な業務や、例外処理が多く手順が定まらない業務は自動化に不向きです。無理に自動化するとかえって複雑になり、保守負担が増します。まずは「手順が決まっている作業」から着手するのが鉄則です。

自動化前に業務を見直す

自動化する前に、「その作業自体をなくせないか」「もっと簡単にできないか」を検討することが重要です。不要な作業を自動化しても意味はありません。業務の棚卸しが自動化成功の前提になります。

よくある質問(FAQ)

Q. プログラミングの知識は必要ですか?

A. 基本的な自動化に専門知識は不要です。トリガーとアクションを選ぶだけで組めます。ただし複雑な処理や外部API連携には一定の学習が必要な場合があります。

Q. ZapierとMakeはどちらが安いですか?

A. 一般に、同じ処理量ならMakeのほうがコスト効率が高い傾向です。ただし課金の考え方(Zapierはタスク数、Makeはオペレーション数)が異なるため、自社の使い方で試算するのが確実です。

Q. 自動化が途中で止まることはありますか?

A. あります。連携先アプリの仕様変更などで停止することがあるため、エラー通知を設定し、定期的に動作を確認することが重要です。

Q. 無料プランでどこまでできますか?

A. 両ツールとも無料プランがあり、少数の自動化を試せます。まず無料で1つの業務を自動化し、効果を確認してから有料化を判断するのがおすすめです。

Q. どんな業務から始めるのがよいですか?

A. 「問い合わせ内容をスプレッドシートに記録して担当者に通知する」といった、手順が決まっていて頻度の高い作業から始めるのが効果的です。小さく始めて効果を実感してから範囲を広げましょう。

Q. 日本語で使えますか?

A. 管理画面は日本語表示に対応しており、日本語のデータも問題なく扱えます。国産ツールに比べると情報がやや英語中心ですが、基本操作で困ることは少ないでしょう。

Q. どんなツールと連携できますか?

A. Gmail や Google スプレッドシート、Slack、各種フォームや会計・CRMツールなど、非常に多くのサービスと連携できます。自社が使っているツールが対応しているか、事前に確認しておくとスムーズです。

まとめ

Zapier は操作の分かりやすさと連携アプリ数、Make はコスト効率と複雑な処理への柔軟性が強みです。初めての自動化なら Zapier、処理量が多くコストを重視するなら Make が有力です。いずれも「作業をなくせないか」を考えた上で、手順が決まった繰り返し作業から小さく自動化し、エラー通知と設計の記録を忘れないことが成功の鍵です。人手が限られる中小企業こそ、定型作業を自動化して本来注力すべき業務にリソースを振り向ける価値があります。まずは無料プランで1つの業務を自動化し、効果を実感してから範囲を広げていきましょう。

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