【2026年8月】Google ドキュメントの Gemini で図解を自動生成|中小企業の活用

ノートパソコンで資料を作成するビジネスパーソン。Google ドキュメントでのAI図解生成を表すイメージ Gemini

2026年7月28日、Google Workspace の公式ブログで、Google ドキュメントの中から Gemini を使って画像・図(ダイアグラム)・インフォグラフィックを作成・編集できる機能が発表されました。文章を書いている画面を離れることなく、その文書の内容に沿ったビジュアルを作れるのが特徴です。同日からロールアウトが始まっており、対象プランの環境では順次表示されるようになります(2026年8月時点)。出典:Google Workspace Updates「Generate and edit visuals with Gemini in Google Docs」(2026年7月28日)

「Google ドキュメント Gemini 画像生成」とは何か

Gemini(ジェミニ)とは、Google が提供する生成AIのことです。文章の要約や下書き作成などを、Google Workspace の各アプリの中から使える形で提供されています。

インフォグラフィックとは、数値・手順・関係性といった情報を、図やアイコンを使って一目で分かるように表した図版のことです。

今回追加されたのは、Google ドキュメントの本文のすぐ横で、Gemini に画像・図・インフォグラフィックを作らせ、その場で直せる機能です。公式発表によると、これらのビジュアルはドキュメントの文脈(コンテキスト)を読み取って生成されるため、外部のデザインツールに内容をコピーして貼り直す、という往復が不要になります。

公式に挙げられているできることは、次の3つです。

1. ドキュメントを要約する図解・インフォグラフィックの作成

「提案書の概要を示す図をドキュメントの冒頭に追加して」「このドキュメントを視覚的に要約したインフォグラフィックを作って」といった指示で、文書全体をまとめた図版を作れます。

2. 既存ビジュアルの調整

「アスペクト比を16:9に変更して」「ドキュメント全体に合うようにスタイルをもっと洗練させて」など、自然な言葉での指示でビジュアルを直せます。デザインソフトの操作を覚える必要がない点が実務上の違いです。

3. 複数のビジュアルを一括で作成・編集

各主要セクションにインフォグラフィックを追加する、複数のビジュアルのスタイルを一度にそろえる、といったまとめての処理にも対応します。

操作は、Google ドキュメントの下部バー、または Gemini サイドパネルから行います。なお公式注記のとおり、現時点ではウェブ版のみの対応です(2026年8月時点)。

Google Workspace の Gemini 活用が中小企業に与えるインパクト

影響が出やすいのは、次の3点です。

コスト面。これまで「社内マニュアルの全体像の図」「提案書の1枚図」などを外部に依頼していた場合、その一部が内製に寄る可能性があります。ただし、すべての図版が置き換わるという話ではありません。

業務面。デザイナーが社内にいない会社でも、提案書や社内資料に図を入れられるようになります。文章だけの資料が続くと読み手の負担が大きくなりますが、その改善に着手しやすくなります。

人材面。問われるのは「作れるかどうか」から「良し悪しを判断できるかどうか」に移ります。生成された図が正確か、貴社のブランドに合っているか、社外に出せる水準かを判断するのは、引き続き人の仕事です。この観点は中小企業のDX人材育成・リスキリングとも直結します。

重要なのは、「そのまま使える品質か」は用途によって変わるという点です。社内共有の要約図であれば十分でも、顧客提出物や採用サイト掲載物となれば、表記統一・配色・数値の正確性の確認が必要になります。

先に確認する:Google Workspace で Gemini が使えないときの条件

「発表されたのに自社では出てこない」という場合、多くは条件面です。公式発表で示されている範囲は以下のとおりです(2026年8月時点)。

  • 対象エディション:Business Standard および Plus/Enterprise Standard および Plus/Education Plus/個人向けは Google AI Pro と Ultra/Education アドオンは Google AI Pro for Education、Teaching and Learning
  • 管理者側:Gemini for Workspace in Drive が有効になっていれば、既定で利用可能
  • 利用者側:Workspace スマート機能(smart features)を有効にしている必要がある
  • 対応環境:ウェブ版のみ
  • 提供時期:Rapid Release / Scheduled Release のいずれのドメインも2026年7月28日から段階的に展開。機能が表示されるまで最大15日かかる場合がある

なお、公式の提供対象エディション一覧に Business Starter の記載はありません(2026年8月時点)。Starter をお使いの場合は、まず管理コンソールで自社の契約内容をご確認ください。

Gemini 図解の作り方を小さく試す:インフォグラフィック活用の第一歩

いきなり顧客提出物で使うのではなく、失敗しても損失が出ない範囲で試すことをおすすめします。

  1. 既存の社内マニュアル1本で「冒頭に全体像の図を1枚」を試す。すでに文章が完成しているものを使うと、Gemini が文脈をどこまで読めているかを判断しやすくなります。
  2. 直近の議事録を1枚のインフォグラフィックにして共有する。読まれない議事録が読まれるようになるかを、実際の反応で測ります。
  3. できあがった図を「そのまま社外に出せるか」を3人で判定する。作った本人以外の目を入れることが要点です。判定が割れた箇所が、貴社のチェック基準になります。
  4. 使えた工程・使えなかった工程をメモに残す。次の資料作成でどこに使うかを決める材料になります。

注意点——AIが作った図をそのまま社外に出す前に

最低限、次の3点は人が確認してください。

  • 数値・固有名詞の誤り:金額・日付・社名などが本文と図でずれていないか。図は本文以上に「そのまま信じられる」ため、誤りの影響が大きくなります。
  • ブランド書式:ロゴ・配色・フォントが自社の基準に沿っているか。生成されたスタイルは、必ずしも貴社の既存資料と一致しません。
  • 機密情報の扱い:どこまでの情報を入力してよいかの社内ルールを先に決めておく必要があります。詳しくは中小企業のAIセキュリティ・情報漏洩対策をご覧ください。

あわせて、AIが生成した成果物の「表示(ラベリング)」に関するルールが各国で動いている点も押さえておくべきです。EU AI法 第50条の透明性義務についてはEU AI法 第50条とAI生成物の表示ルールで解説しています。海外取引がある企業ほど、早めの確認をおすすめします。

当協会の視点

当協会は、Google Workspace の導入・活用支援を行っていますが、一貫してお伝えしているのは「機能が増えたから使う」ではなく「どの工程を置き換えるか」から入るという順序です。

今回の機能でいえば、「提案書に図を入れたい」という漠然とした期待ではなく、たとえば「毎月作成している社内マニュアルの、図版作成にかかっている時間」といった具体的な工程が先に特定できているかどうかで、効果は大きく変わります。工程が特定できていれば、効果は測れます。特定できていない状態で導入しても、使われないまま終わることが少なくありません。

なお、Google スライドでも Gemini によるプレゼンテーションの自動生成が提供されており(出典:Google Workspace Updates「Create fully native and editable presentations with Gemini in Google Slides」)、Google ドキュメントだけでなく資料作成全般で同種の流れが進んでいます。

まとめ

  • Google ドキュメントの中で、Gemini が文書の文脈を読み取って画像・図・インフォグラフィックを生成・編集できるようになりました(2026年7月28日から段階的に展開)。
  • 操作は下部バーまたは Gemini サイドパネルから。現時点ではウェブ版のみの対応です。
  • 利用には対象エディションに加え、Gemini for Workspace in Drive の有効化と、利用者側のスマート機能の有効化が必要です。表示までは最大15日かかる場合があります。
  • 作った図の正確性・ブランド適合・機密情報の扱いの確認は人の役割として残ります。小さな社内文書で試してから、顧客提出物に広げるのが安全です。

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