Microsoft 365 から Google Workspace 移行【2026年9月】

段ボール箱に梱包テープを貼って荷造りしている手元 Google Workspace

「グループウェアを乗り換えたいが、メールと共有ファイルの引っ越しが怖くて動けない」。当協会によく寄せられるご相談です。2026年9月11日、Google はこの障壁の一部を下げる機能をリリースしました。Google Workspace のセットアップ中に Microsoft 側のユーザーとデータを取り込める「データインポートツール」の一般提供(GA)開始です。

データインポートツールとは、Google Workspace を導入する組織が、セットアップの途中で Microsoft のビジネスアカウントに接続し、既存のユーザーとデータを取り込む機能です。公式ブログは、小規模事業者(small businesses)と教育機関に向けた新しい方法として案内しています(2026年9月時点)。

要点3行:Microsoft 365 から Google Workspace 移行で何が変わったのか

  • セットアップ中に Microsoft からユーザーとデータを取り込む方法が一般提供(GA)を開始。対象はすべての Google Workspace のお客様、Rapid Release・Scheduled Release とも提供済み。
  • 移行できるのは、既存の Microsoft ユーザー、そのメール、OneDrive のファイル、カレンダーの予定、連絡先、タスク。
  • ただし自動で取り込めるのは最大10ユーザーまで。ドメインの確認とMX有効化が前提で、Flexible Plan(柔軟プラン)に限られます。

一次情報:Google Workspace Updates(2026年9月11日付)

メール移行 手順は2ステップ:OneDrive から Google ドライブ 移行までの対象範囲

手順は2ステップです。①Microsoft のビジネスアカウントにグローバル管理者の資格情報で接続する。②(任意)取り込みたくないユーザーやデータ種別を除外する。接続すると、ツールが Microsoft アカウント内のユーザーを識別し、新しいアカウントへ追加する準備を行います。取り込み処理はバックグラウンドで進むため、その間も管理者はセットアップを続けられます。公式は狙いをこう説明しています。

Microsoft からの移行にかかる時間と手間を大幅に削減し、組織を素早く立ち上げられるようにする

出典:Google Workspace Updates(2026年9月11日付)/訳は当協会

接続に使うのは Microsoft 側の「グローバル管理者」の資格情報、つまりテナント全体を操作できる最上位の権限です。難しい作業ではありませんが、実行者と実施日を決めてから着手してください。

見落とすと事故になる3つの制約:Google Workspace 乗り換え 中小企業の前提

公式ブログには実務に直結する制約が明記されています。「全部自動で移せる」と読むと計画が崩れます。

  1. 自動で取り込めるのは最大10ユーザーとそのデータまで。11ユーザー以上は、ヘルプセンターの別手順(「Microsoft から10ユーザーを超えて取り込む方法」)を参照します。
  2. ドメインの確認とMXレコードの有効化を完了した後でないと、取り込みはできません。この2つが終わると、セットアップ完了前に取り込みのオプションが表示されます。
  3. 使えるのは Flexible Plan(柔軟プラン)の場合のみ。年間プラン/固定期間プランでは、ユーザーを取り込む前にライセンスを追加する必要があります。

なお管理者専用の機能で、社員側の操作は不要です。

中小企業へのインパクト:コスト・業務・人材・競合

コスト:10ユーザー以下なら移行作業の工数が減る可能性があります。ただし削減幅はデータ量や習熟度で変わり、「必ず〇割下がる」とは言えません。

業務:「引っ越しが大変そう」という理由だけで検討を打ち切っていた企業が、業務要件で比べ直せるようになります。

人材:専任者のいない組織ほど効きます。移行作業は「誰かの本業を止める仕事」です。公式の手順が用意された意味は小さくありません。

競合:乗り換えの摩擦を下げる動きが出た、という事実の確認にとどめます。優劣の話ではありません。

今すぐできる一歩:移行対象の棚卸し3点(無料でできます)

乗り換えの是非を今日決める必要はありません。無料でできる棚卸しを3つ。

  1. 現在の利用ユーザー数を数える。10人以内かどうかで手順が変わります。休眠・共有アカウントも含めて数えます。
  2. メール・ファイル・カレンダー・連絡先のうち、本当に移行が必要なものを仕分ける。「何年分のメールが要るのか」を切り分けるだけで規模の見え方が変わります。
  3. 契約プランが月額(Flexible)か年間かを確認する。前章の制約③に直結します。

一般論として、次の3点も計画に含めてください(いずれも公式ブログの記載ではありません)。①移行前にバックアップを取る、②社内周知を先に済ませる、③MXレコードの切り替えはメールの受信先が変わるタイミングのため、実施時間帯を決めて共有する。公式が述べているのは「時間と手間の大幅な削減」であり、移行が無リスクになったとは書かれていません。

当協会の視点:乗り換えを勧める記事ではありません

本記事は Microsoft 365 から Google Workspace への乗り換えを推奨するものではありません。Microsoft 365 を使い続ける企業は多く、どちらが向くかは業務要件次第で、優劣を一般論で断じることはできません。今回の価値は、「一度は検討したが引っ越しの負担で見送った」企業にとって障壁の一部が下がった点にあります。下がったのは一部で、上限もプランの条件も残っています。

当協会では、どちらの製品を前提にする場合でも、要件の棚卸しから運用設計・定着支援までを伴走しています。Google Workspace の機能更新は、Google スプレッドシートの更新まとめやGemini のカスタム指示の解説もご覧ください。

まとめ

  • セットアップ中に Microsoft のユーザー・メール・OneDrive のファイル・予定・連絡先・タスクを取り込める機能が一般提供されました。
  • ただし自動移行は10ユーザーまで、ドメインの確認とMX有効化が前提、Flexible Plan のみという制約が残ります。
  • 是非を決める前に、ユーザー数・移行対象・契約プランの棚卸しから始めましょう。

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