業務自動化ツールの導入を検討するとき、必ずと言っていいほど比較されるのがMake(旧Integromat)とZapierです。どちらもプログラミング不要でSaaS間の自動連携を実現できますが、設計思想・価格・機能に大きな違いがあります。本記事では中小企業の視点からどちらを選ぶべきかを解説します。
両ツールの基本情報
Zapierの特徴
Zapierは2011年創業の業務自動化ツールの老舗で、世界最多の7,000以上のアプリ連携に対応しています。「Zap」と呼ばれる自動化フローを直感的に作成でき、IT知識がなくても短時間でシンプルな自動化を構築できます。無料プランは月100タスク、有料プランは月$19.99〜です。英語中心ですが日本語UIも利用可能です。
Makeの特徴
Makeはチェコ発のツールで、2022年にIntegromatからリブランドされました。1,500以上のアプリに対応し、Zapierより少ないですが基幹業務で使われるアプリはほぼカバーしています。最大の特徴は「シナリオ」と呼ばれる視覚的なフロー設計で、複雑な条件分岐・ループ・エラー処理を柔軟に構築できます。無料プランは月1,000オペレーション、有料プランは月$9〜でZapierより割安です。
価格の詳細比較
実際の利用コストを比較すると、同じ量の自動化処理を行う場合にMakeの方が2〜3倍コストが安いケースが多くみられます。Zapierは「タスク(処理)」単位の課金で、Makeは「オペレーション」単位で課金されますが、課金の粒度の違いもあるため、実際に使いたい自動化シナリオを想定して計算することを推奨します。月50件以上の業務自動化を想定する場合はMakeが有利な場合が多いです。
機能・柔軟性の比較
シンプルな自動化ならZapier
「フォームに回答が入ったらSlackに通知する」「新しいGoogleスプレッドシートの行をHubSpotに追加する」といった1対1のシンプルな連携はZapierが圧倒的に速く構築できます。テンプレートが豊富で、5分以内に稼働させることができます。初めて業務自動化を試みる企業にはZapierから入ることを推奨します。
複雑な自動化ならMake
「注文フォームから受注→金額によって担当者を振り分け→在庫システムを更新→顧客へ確認メール→エラー時はSlackに通知」といった複数ステップ・条件分岐を含む業務フローはMakeが断然向いています。APIとの直接接続・JSONの加工・ループ処理なども標準でサポートしています。
日本語対応と日本向けサービスの比較
日本で多く使われるSaaSとの連携においても差があります。kintone・freee・マネーフォワードなど日本発のサービスとの連携モジュールはMakeの方が充実しています。Zapierでもkintoneなど一部の日本サービスに対応していますが、Make公式モジュールがない場合はカスタムAPIで対応することになります。
中小企業へのおすすめ
まとめると、「IT担当者が不在で最短でシンプルな自動化を始めたい」企業にはZapier、「複雑な業務フローを自動化したい・コストを抑えたい・日本のSaaSを多く使っている」企業にはMakeをおすすめします。詳細な選定支援や構築サポートはAI・DX支援サービスにご相談ください。
まとめ
MakeとZapierはどちらも優れたノーコード自動化ツールです。自社の業務の複雑さ・コスト感・使用しているSaaSの種類で選び分けることが成功の近道です。まずは無料プランで試して、自社の業務に合う方を採用してください。
MakeとZapierの料金プランと費用対効果
ツール選定では機能だけでなく、コストも重要な判断軸です。それぞれの料金体系と費用対効果を確認しましょう。
Makeの料金プラン
Makeは月1,000回の実行まで無料で利用できます。有料プランはコア(月約1,000円〜)から始まり、実行回数とアクティブシナリオ数に応じてプランが変わります。複雑な自動化を多数動かす場合でも、比較的リーズナブルに運用できます。
Zapierの料金プラン
Zapierの無料プランは月100タスクまでと制限が厳しめです。有料プランはスターター(月約3,000円〜)から始まり、タスク数と多段階ワークフロー(マルチステップZap)の可否によって選択します。シンプルな2ステップ自動化を少量こなすだけなら無料プランで十分です。
どちらが費用対効果が高いか
自動化で削減できる人件費と比較することが重要です。月3,000円のツール費用で月10時間の作業を削減できれば、時給換算で十分な費用対効果が得られます。まず無料プランで効果を確認してから有料化を検討するのが、中小企業にとって最もリスクの低いアプローチです。


