Google Meet の自動メモ(英語名「Take notes for me」)は、会議の内容を Gemini が文章にまとめ、Google ドキュメントとして残してくれる機能です。2026年9月29日には、参加者3人以上の会議だけ自動でメモを取る新しい設定が一部プランで既定ONになりました。この記事では、仕組み、文字起こし・録画との違い、中小企業が社外会議も含めて安全に使うためのルールと手順を、公式情報をもとに整理します(2026年10月時点)。
Google Meet の自動メモ(Take notes for me)とは
定義と仕組み
Googleのヘルプによると、「Take notes for me」は会議中の発言をもとにメモを自動生成する機能です。会議が終わると、メモはドキュメントとして主催者の Google ドライブの「Google Meet」フォルダに保存され、カレンダーの予定にも添付されます。閲覧権限を持つ人には、メモへのリンクがメールで届きます(Google Meet ヘルプ)。
参加者には、メモ作成中であることが通知され、画面にはペンのアイコンが表示されます。同じヘルプでは、1回の会議で扱える言語は1つで、複数言語が混ざる会議は現時点で非対応とされています。
文字起こし・録画との違い
Meet 議事録を自動で作る方法としては、「自動メモ」「文字起こし」「録画」の3つがあり、それぞれ別の機能です。公式ヘルプでも、文字起こしは自動メモとは別の機能として説明されています(文字起こしのヘルプ)。
- 録画:映像・音声そのものを残す
- 文字起こし:話した内容を発言どおりテキストにする(チャット欄の内容は含まれない)
- 自動メモ:発言をもとに要点・決定事項などを整理した文書を作る
Meet 文字起こし 違い、という観点では、「逐語記録が欲しいなら文字起こし、要点と次のアクションが欲しいなら自動メモ」と考えると整理しやすくなります。
Quick notes と Full notes
メモ文書には2つのタブがあります。Quick notes は要点を1ページにまとめた概要で、重要なアクション項目・結論・論点に絞った内容です。Full notes は従来どおりの詳細版です。公式ブログによれば、Quick notes は既定のタブになり、通知メールの要約にも使われます。管理者向けの個別の制御は、既存の自動メモの設定以外にはありません(Workspace Updates:Quick notes)。
対象プランと対応言語
2026年7月・9月の公式発表に記載された対象は、Business Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、Frontline Plus、Google AI Pro for Education アドオンです(Workspace Updates:7月)。対応言語は、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語です。料金はプランごとに異なり、本稿では金額を扱いません。最新の価格は Google の公式ページでご確認ください。
中小企業にとっての意味
中小企業では、議事録を書く担当者が営業・総務と兼務になりがちです。自動メモを使えば、会議後の記録作成の負担を軽くできる可能性があります。ただし、効果は会議の内容や運用によって変わるため、「何分短縮できる」といった断定はできません。
コスト面では、対象は Business Standard 以上などの上位プランです。新たに外部の議事録ツールを契約する前に、すでに契約している Google Workspace で何ができるかを確認する、という順番が現実的です。人材面では、記録が属人化しにくくなり、休んだ人や遅れて参加した人が内容を追いやすくなります。
一方で、AIのメモは不完全・不正確になる場合があると公式ヘルプも明記しています。重要な数字や約束事は、人が確認する前提で使ってください。議事録の書き方そのものは議事録の書き方(AI活用テンプレート)、商談の記録を蓄積する方法は商談議事録をAIで資産化する記事も参考にしてください。
導入・活用ステップ
ステップ1:管理者設定の現状を確認する
2026年9月29日の変更で、管理者に「参加者3人以上の会議のみ自動でメモを取る」という第3の選択肢が加わりました。既定は Business Standard/Plus でON、Enterprise Standard/Plus、Frontline Plus、Google AI Pro for Education アドオンでOFFです。Gemini Alpha プログラムに参加している組織では、すでにONの可能性があるため、管理コンソールでの確認が推奨されています(Workspace Updates:9月29日)。経緯は速報記事にまとめています。なお管理コンソールの具体的な画面名や項目の位置は、本稿作成時に公式ページで確認できなかったため、「要確認」としてください。
ステップ2:社外会議のルールを決める
Meet 自動メモを社外会議で使う際は、事前に決めておくことが大切です。例として、次のような項目を文書にしておきます。
- 社外会議では開始時に「メモ作成機能を使います」と口頭で伝える
- 取引先から断られた場合は、機能をオフにして手書きで記録する
- 機密性の高い会議(契約条件、人事、個人情報を扱う場面)は使わない
録音・記録への同意が法的にどう扱われるかは、状況によって異なります。本稿は法的助言ではないため、必要に応じて専門家にご相談ください。
ステップ3:保管・共有範囲を決める
メモの共有範囲は、主催者が「招待されたすべてのゲスト」「組織内のメンバーのみ」「ホスト・共同ホストのみ」から選べます(Calendar と Meet の設定)。社外参加者が含まれる会議では、既定を「組織内のみ」にしておくと誤共有を防ぎやすくなります。メモは主催者のドライブに保存されるため、主催者が退職・異動した場合の引き継ぎルールも決めておきましょう。AIに触れさせる情報の権限設計は、AIエージェントの権限設計ガイドが参考になります。
ステップ4:小さく試して運用に定着させる
最初は社内の定例会議1〜2種類から始め、メモの出来栄えと修正の手間を確認します。ユーザー側の設定は、オフ、「自分が主催するすべての予定された会議」、「3人以上のゲストがいる会議」の3通りで、Meet の設定の「会議の記録」またはカレンダーの予定から変更できます。慣れてきたら、メモの確認担当者と保管期限を決めて、定例運用に移します。
よくある質問
Business Starter でも使えますか?
公式発表で対象とされているのは Business Standard/Plus などで、Business Starter は記載がありません。利用可否は公式に確認できなかったため、契約プランで必ずご確認ください。
日本語の会議でも使えますか?
日本語は対応言語に含まれています。ただし1回の会議で扱えるのは1言語で、精度についての数値は公式に記載がありません。
録画との違いは?
録画は映像・音声を残す機能、自動メモは要点を文書にする機能で、別の機能です。詳しくは前述の比較をご覧ください。
社外参加者への配慮は?
参加者全員に、メモ作成中であることが画面上で通知されます。そのうえで、会議の冒頭で一言伝え、共有範囲を適切に設定することをおすすめします。外部ゲストは、この機能の設定を変更できません。
勝手に記録されませんか?
管理者やユーザーの設定によっては、自動でONになる場合があります。主催者・管理者が設定を確認し、必要なら無効にしてください。開始時には参加者に通知されます。
メモの保管先と共有は?
主催者の Google ドライブの「Google Meet」フォルダに保存され、カレンダーの予定にも添付されます。共有範囲は主催者が設定します。保管期間の既定値は、公式に確認できませんでした。
当協会の支援メニュー
当協会では、中小企業の皆さまを対象に、次の支援を行っています。
- Google Workspace の導入・運用ルール設計(管理者設定、共有範囲の整理)
- AI活用の社内ルールづくり(社外会議での取り扱い、情報管理)
- 補助金の活用相談(対象となるかは制度・要件によります)
成果をお約束するものではなく、現状を伺ったうえで、無理のない範囲をご提案します。
まとめ
Google Meet の自動メモは、会議の要点を Quick notes と Full notes にまとめてくれる機能で、日本語にも対応しています。2026年9月29日以降は、一部プランで「3人以上の会議のみ自動」が既定ONです。まず管理者設定を確認し、社外会議のルール、共有範囲、運用の順に整えてから広げていきましょう。仕様は変わる可能性があるため、最新情報は各公式ページでご確認ください。


