Google Workspace の公式アップデートブログで、2026年9月8日付の更新が公開されました。このうち追加費用ゼロ・管理者設定不要で今日から効くものが2件あります。Google Chat の下書きが自動保存されるようになったことと、Google スプレッドシートのグラフで Google Fonts のウェブフォントが使えるようになったことです(2026年9月時点)。一次情報は次の2本です。
今回の要点
- Google Chat の下書き自動保存:未送信メッセージが会話ごとに保存され、端末をまたいで同期。保持期間は最大30日。管理者・ユーザーとも設定は不要。
- グラフでカスタムWebフォント:グラフエディタから Google Fonts のライブラリ全体を検索・適用可能。Microsoft Excel との相互変換の互換性も改善。管理者設定は不要。
- どちらも段階的な展開のため、自社で使えるようになる時期は前後します。
Google Chat の下書きが自動保存される|書きかけが消えない
今回の更新で、Google Chat を閉じても端末を再起動しても、書きかけの文面がそのまま残るようになりました。下書きは会話ごとに保存され、1対1のダイレクトメッセージ、グループでのダイレクトメッセージ、スペースのいずれでも、その会話の入力欄に残ります。すべての下書きは「下書きショートカット」からまとめて確認できます。
効き方が大きいのは端末間の同期です。デスクのパソコンで書き始めた文面を、タブレットやスマートフォンから続けて完成させて送信できます。返答の途中で電話が入って中断したとき、移動前に下書きだけ作って外出先で仕上げたいとき、社用パソコンと個人スマートフォンを行き来するとき。IT専任者がいない企業ほど「続きから書ける」が効きます。
注意点を1つだけ。未送信の下書きの保持期間は最大30日です。大事な連絡文は下書きのまま置きっぱなしにせず、送るか控えを別に残すかに寄せておくと安心です。
ロールアウトはWeb版が Rapid Release ドメインで9月8日開始(表示まで最大15日、9月15日完了見込み)、Scheduled Release ドメインは9月22日開始(最大15日)。Android と iOS は両ドメインとも9月28日開始(最大15日)です。対象はすべての Google Workspace のお客様、Workspace Individual の契約者、個人の Google アカウント利用者で、上位プラン限定ではありません。
Google スプレッドシートのグラフでフォントが選べる|体裁統一と Microsoft Excel とのやり取り
Google スプレッドシートのグラフで、Google Fonts のウェブフォントライブラリ全体が使えるようになりました。グラフエディタのサイドバーにあるフォントのドロップダウンから「その他のフォント」を選び、検索・追加して適用するだけです。
適用できるのは、グラフのタイトルとサブタイトル、横軸・縦軸のタイトルとラベル、データラベル、凡例のテキストです。資料の中でグラフだけ書体が浮く、という体裁の崩れをグラフ側で揃えられます。
もう1つが Microsoft Excel との相互変換の互換性改善です。従来は、カスタムフォントを使ったグラフを含む Microsoft Excel ファイルをインポートすると、フォントが欠落したり代替フォントに置き換わったりすることがありました。今後は両方のプラットフォームに存在するフォントであれば、インポート・エクスポートを通じて維持されます。取引先と Microsoft Excel をやり取りする中小企業には、見た目の一貫性とブランドの再現性が保たれる点がメリットです。
ロールアウトは Rapid Release ドメインが2026年9月1日、Scheduled Release ドメインが9月21日の開始(いずれも最大15日)。対象はすべての Google Workspace のお客様と個人の Google アカウント利用者です。
今すぐできる一歩|Google Workspace の9月アップデートを中小企業で活用する
設定が不要なので、やることは「来ているか確かめて、社内で揃える」だけ。5〜10分で終わります。
- 自社環境に来ているか確認する:Google Chat で数文字入力し、閉じて開き直して残るか見ます。グラフはフォントのドロップダウンに「その他のフォント」があるか見ます。無ければ Rapid/Scheduled の違いと最大15日の展開待ちが理由と考えられるため、日を改めて再確認してください。
- 「下書きショートカット」の場所を社内で共有する:書きかけがどこに残るかを全員が知っていることが前提です。一度伝えれば十分です。
- グラフの既定フォントを決めて社内で揃える:使う書体を1〜2種類に決め、資料テンプレートとグラフで同じものを指定します。Microsoft Excel でやり取りするなら双方の環境にある書体を選びます。
当協会の視点|小さな詰まりを1つずつ外す
今回の2件に共通するのは、新しいツールを増やすのではなく、すでに使っている環境の中で日常業務の小さな詰まりが1つ解消された点です。追加投資も管理者作業も要りません。こうした更新を拾って「うちの場合はこう使う」と決めるところまで進めるかどうかで、同じ Google Workspace でも定着は変わります。ただし効果は業務の進め方や共有の仕方によって変わります。
当協会では、Google Workspace の設定・運用ルールづくりと現場が迷わない手順書づくりを、中小企業の実情に合わせて支援しています。関連する更新はGoogle Workspace の最新アップデート解説記事でも扱っています。
まとめ
- 2026年9月8日付で、Google Chat の下書き自動保存と、グラフでのカスタムWebフォント利用が発表されました。設定作業はいずれも不要です。
- 対象は全エディションと個人の Google アカウント利用者まで。ただし段階的な展開(最大15日)のため、自社に届く時期は Rapid Release/Scheduled Release で前後します。
- 下書きの保持期間は最大30日。重要な文面は下書きのまま放置しない運用にしておきましょう。


